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2008年03月19日

2008.3.19 北斎展、「神奈川沖浪裏」と“赤富士”“黒富士”

 お久しぶりである。2月はまたいろいろなことがあったのだが、思い出したくないこともいくつかあるので(笑)、省略。ただ2月下旬から3月にかけての良いサインはあった。しかしそれについても書かない。なぜならまだ使える可能性があるから。私のダイヤルQ2と携帯会員の方々は知ってみえると思うが、ひょっとしたらまだ1、2回使えるかもしれない。ただしそろそろ終わり頃でもある。大勝負は避けてほしい。結果論から言えば、先週の「中山牝馬S」のヤマニンメルベイユが勝負であった。この単複で勝負すべきであったが、私も弱気になってできなかった。ただQ2、携帯共にこのサインは言っておいたので、ひょっとしたら日本中で何人かはこれを買われたかもしれない。そうであれば良いことである。このサインについては、5月15日発売の「風花ゴールド」第11号に書く予定にしておく。

 さらに少し競馬の話題に触れておくと、先週は内田浩一騎手が引退した。普通なら2月末で引退すべきなのに、なぜかこんな変な時期に引退。最近は騎手の引退はこのようなケースばかりである。やはり私がいわゆる“サヨナラ爆弾”を強調しすぎたのがいけなかったのか、それとも他の事情があるのかはわからない。しかし残念ではある。たとえ勝っても負けても、昔のように2月末日で辞めていってほしいと思うのである。
 今回の内田浩一騎手のラスト週の騎乗は、3月16日の日曜の阪神5レースの一鞍のみであった。かつてメジロマックイーンで「菊花賞」を勝たせてもらった池江泰郎厩舎の馬で、それも1番人気の馬。以前なら絶対に“買い”のサヨナラ爆弾である。しかし今回私はダイヤルQ2でもこの馬について言わなかったし、友人達にも言わなかった。そして自分でも買わなかった。「おそらく消えるであろう。」と思っていたのである。それは少しの理由と勘であった。しかしこの勘は正しいはずだと。
 レースは、この内田騎手のケイアイフェラーリは果敢に2番手で先行した。しかし直線で追われながらもまったく伸びず。だらだらと抜かれての6着敗退。結果は予想どおりだった。しかし見ていてなぜか寂しさも感じた。これからはこういう引退がますます増えるのかもしれない。したがって引退騎手や調教師の馬券を買うときは慎重にと言っておく。それでこの話は終わりにする。 

 また3歳クラシック路線では、多くのJpnⅢやJpnⅡが終わり、「桜花賞」「皐月賞」に向けて有力馬が名乗りをあげている訳だが、今年は牝馬も牡馬もこの20年で一番と言っていいくらいの大混戦にしてある。いや失言(笑)、大混戦になっている。したがってとりあえず春のクラシック4戦は非常に難解なレースになるであろう。そう予言しておく。ダービー馬についてもまったく解っていない。普通なら難しい年でも、この時期なら5頭くらいには絞れるのだが、それもできない。該当馬が見あたらないのである。今後は「皐月賞」や「NHKマイルカップ」の結果分析の後、別路線組の可能性まで考えて、5月末まで悩まされるであろう。何とかこれだけはと思っているが、少なくとも「桜花賞」や「皐月賞」はよほど慎重に対応を考えなければならないと思う。皆さんも4月になると春のGⅠ、JpnⅠの開幕で気分は浮かれるかもしれないが、くれぐれも最初から大勝負して大敗などしないようにと言っておく。それほど難しいレースになるだろう。昨年もそんなことを言っていた私だが、これは本音である。聞き流してもらってもよいが、風花からの忠告だととってくれればと思う。以上で競馬の話は終わり。

 さて先週の平日、私は名古屋の名古屋市美術館で行われていた「北斎展」に行ってきた。これはかの有名な葛飾北斎の肉筆画の多くをフランスとオランダの美術館から借り受けての展覧会。そしてそれらにプラスして昔からの有名な作品も東京や山口県(萩美術館のものが多い)から借り受けて展示してあった。作品数は全部で200点以上。思っていたよりはるかに大きい規模の展覧会であり、平日にもかかわらずかなりの人出であった。

 北斎といえば「富獄三十六景」に代表される風景画が有名だが、これはもちろん版画。しかし実際には肉筆画も多く、今回は彼と交流があったオランダ人シーボルトがオランダに持ち帰ったものが多く展示されていた。それは人物画、風俗画から武具を描いたものまでいろいろあったのである。今回はそれらを何十点も見られてよかった。また絵本や挿絵画も多かった。そして興味深かったのはなぜか妖怪を描いたものがいくつかあったことだ。グロテスクな描写などもけっこうあったのである。しかし見ているうちに何となく納得してきた。これらの作品も含めての“北斎画”が何となく理解できるのである。その全てが力強く、見事な筆致であった。

 そして最後にかの有名な「富獄三十六景」をしっかりと見た。たしか私がまだ子供の頃に、一度名古屋のデパートで展覧会があり、実物を見たことはあった。しかしそれから数十年が経って、今こうしてみるとやはり違った。実物を見た人は知っていると思うが、実際はかなり小さい。しかし圧倒的な迫力を感じるし、美しいのである。自分が知っている作品はとくに興味深かった。「隅田川関屋の里」「甲州石班沢」「甲州三島越」「東海道程ヶ谷」「甲州三坂水面」「尾州不二見原」、これらは私が子供の頃に集めていた切手の“国際文通週間シリーズ”にあったもの。その実物をじかに見られて感激した。そしてかの有名な通称“大浪”こと「神奈川沖浪裏」。日本人なら誰もが知っている名画だが、実物を見た人は少ないと思う。これはやはり最高であり、日本が誇る“日本美術史上最高の名画”だと私は思う。素晴らしいなどという一言ではまったく足りない。言葉などいらないものである。ちなみに私はこれを「おきなみうら!」と小学校の頃から呼んでいたので“大浪”という通称があることは最近まで知らなかった。
 またもう一つ有名なのはもちろん“赤富士”こと「凱風快晴」。これも小学校の頃から知っていた。子供ながらに漢字で書けた。今回もその美しさはやはり素晴らしかった。そしてもう一つ密かに好きだったのはこの“赤富士”に対抗して“黒富士”と呼ばれている作品。こちらはご存知ない方が多いと思う。正式名は「山下白雨」。これがシンプルながら味わい深くて好きなのである。これも今回は展示されていて見ることができた。神秘的な富士であり、赤富士と対照的であり、静かな美しさを感じた。

 最後にもう一度「神奈川沖浪裏」を見て、美術館をあとにした。たまにはこうした芸術に触れるのもよいものである。仕事ばかり、飲み食いばかり、競馬ばかりでは疲れてしまうし、つまらないではないか。こういう時間も人生には必要であることを再認識した。それにしてもやはり北斎は素晴らしかった。そしていつかは、もう一人好きだった安藤広重(最近では多くの場合、歌川広重と書かれているが、私が子供の頃は安藤だった。)の「東海道五十三次」も見たいなと思った帰り道である。(No.85 了)風花良