2006.6.14 日本対オーストラリア戦
ワールドカップたけなわである。まずオーストラリア戦の日本の敗戦について。
テレビや翌日の新聞などでさんざんいろいろな人がコメントしたり、評論したりしているが、95パーセント以上間違った見解ばかり。予想どおりとはいえ嘆かわしいことである。
それに対して私のまわりでは、友人Aは「全然勝負になってない。順当負けの内容」と言ったし、私の弟は最初から勝てる可能性ゼロと言い続けていたから、「やっぱりな」と言っただけ。もちろん私も日本には勝ってほしかったが、可能性は5パーセントくらいだと思っていたから、こころの準備が十分で、試合後も冷静だった。一言でいって「実力負け」である。
最初から無理な戦いなのである。日本のFWの高原はドイツのハンブルガーSV、柳沢は以前イタリアのセリエAにいた。中田はセリエからイングランドのプレミアリーグのボルトンにいる。稲本は同じくイングランドの2部のチーム。そして彼らすべてが、そのチームでレギュラーになれずの控え選手なのである。大黒はレギュラー?でもレベルの低いフランスリーグのさらに2部の無名のチームだ。それでも彼らはまだ良い。彼らの下にさらにレベルを語れないJリーグの“国内組”がいるのだから。
そんな中で唯一、スコットランドリーグの名門セルティックでレギュラーに近い中村俊輔だけが、世界に通用する選手なのである。あとは状態さえ良ければ、以前セリエでレギュラーを張っていた中田英寿。彼を加えても2人。
それに対して、オーストラリアはイングランドプレミアリーグのリバプール、ミドルズブラ、エバートンなどでレギュラーを張っている選手が何人もいるチームなのである。最初から実力差のある戦いなのだ。その彼らは、前半こそ様子を見ていたが、後半になると的確に日本の弱点を見破って、そこを突いてきたのだった。
そしてもっとも大きなのはDF(ディフェンダー)の差である。日本のDFで最も優秀な2人である宮本と中澤。彼らはヨーロッパの経験のないJリーグのDFなのである。日本人は彼らが一流のDFだと勘違いしているが、世界的に見れば3流なのである。そしてその他のDFはもっと低レベル。友人Aは「幼稚園レベルのDFもいたな!」と言った。勘違いしてほしくないが、日本を応援している彼なのだ。だからこそその低レベルに余計悔しいからの発言である。2点目の失点は世界レベルのDFなら必ず競るか、体を投げ出してシュートコースに入っていただろう。それを離れたところにいた日本のDF達だった。あの距離でもフリーで打たせれば、世界はほぼ得点をあげてくるのである。
そしてキーパーの川口。翌日の新聞に「好セーブを連発していたが、不運!」などと書かれていたが、とんでもないことである。彼がセーブしていたのは正面のボールばかり。それを飛びつくから日本人マスコミには好セーブに見えるのだろうが、世界レベルのキーパーなら難なくセーブするボールばかりだった。そして失点の場面は明らかに川口のミス。飛び出すならさわらなければいけないし、さわれないなら飛び出してはいけないと言われている常識的なケースだった。それを飛び出してさわれず、こぼれ球を押し込まれた。一番大事な場面での凡ミスである。まだしも楢崎なら飛び出さなかったとは思うが、楢崎ならその前の好セーブ?の場面で取られていたかもしれないので、どちらでも変わらなかったかもしれない。川口もヨーロッパにいたが、それはプレミアの2部とデンマークリーグで、ヨーロッパレベルとはほど遠いチームにいただけなのである。ちなみにイタリアには川口以上のレベルのキーパーは50人以上いるだろう。セリエBのキーパーでももっとはるかにうまいのである。
つまりはそういうことをマスコミがしっかり報道しないから、多くの日本人が「今の日本代表は強い。オーストラリアなら勝てる」などと思ってしまうのである。どこかに「実力負け!もっと世界を見ろ!」と言うマスコミか評論家は現れないのであろうか。
今後、日本代表が強くなる為には、DFやキーパーがイタリアのたとえセリエBでもCでもいいから行って、そこからセリエAの下のチームにはい上がるくらいの根性がなければだめであろう。私は4年前からそう思っていたのだが、DFはみんなJリーグで満足する選手ばかりだった。
さらにジーコ監督も最低レベルで彼も今回の敗戦の大きな原因なのだが、それはまたの機会にしよう。私も書いていて日本の情けなさに腹がたってきたので(笑)。
そして皆さんはイタリア対ガーナ戦を見られたか。日本の敗戦でほとんどの人が見ていないのだろう。しかしイタリアの守備を見れば、いかに日本とレベルが違い、完璧なリスクマネージメントやポジション取りの上に成り立っているかが解ったはずである。その上に一人で日本のDFの4人分は守れるネスタがいるし、世界一のキーパーであるブッフォンもいるのである。スコアは2-0でも内容は完勝、圧勝。危険なシュートはほとんど打たせないという守り方は相変わらずの世界一だった。
ワールドカップは上までいけば一発勝負なので、これだけで必ずしも優勝はできないのだが、ここまで出てきたすべてのチームの1試合を見ただけでも、やはりイタリアが一番強い。あとは2戦目、3戦目に手を抜く?という悪い癖を出さないことを祈りたい。イタリア人はけっして大きくもなければ、体格が良いわけでもない。体型は日本人とそれほど変わらない。ザッカルドやデロッシなどは24歳、22歳でワールドカップ初出場。キャリアも経験もない。それでも完璧にこなしていた。両国はこれほどまでに差がある。日本はこのイタリアから学ぶべきである。
そういえば私は日本対オーストラリア戦を8年前のワールドカップのフランスツアーで一緒になった仲間達と名古屋に集合して見た。8年ぶりに会う人あり、6年ぶりありで、楽しかった。日本が負けても、そちらの方で、かなり楽しい時を過ごせた一日だった。
ワールドカップはまだまだ続く。今後も熱戦を期待したい。(No63 了)風花良